今年も、皆様と共に新年を迎えられたことを慶んでいます。
昔の年齢の数え方では、お正月が来ると数え年が一つ増えるので、学校にあがる前の小さい頃は、お正月が来て年齢が増えるのを、童謡にある「もういくつ寝るとお正月~」のように、指折り数えて心待ちにしたそうですね。
かつては、子供達にとって正月になると、久しぶりにお雑煮や、正月料理のご馳走を食べ、お年玉を貰えるので楽しみ。
女子は羽根突き、男の子はたこ揚げで、その他にかるた取り、福合わせ、こま回し、双六などの遊びがありました。
ところで、利用者の方に伺うと、かつて全国の小学校で一月一日は登校日だったそうですね。
一月一日を四方拝、他に紀元節、明治節、天長節を式日と定めて、四大節( しだいせつ )と言ったそうです。
どのような方法で式をするのかは、文部省国民学校令に定められていて、
紀元節、天長節、明治節及一月一日ニ於テハ、職員及児童学校ニ参集シテ以下ノ式ヲ行フベシ。
職員及児童「君ガ代」ヲ合唱ス。
職員及児童ハ天皇陛下、皇后陛下ノ御影( 御真影、ごしんえい、写真のこと )ニ対シ奉リ、最敬礼ヲ行フ。
学校長ハ教育ニ関スル勅語( 教育勅語 )ヲ奉読ス。
学校長ハ教育ニ関スル勅語ニ基キ聖旨( せいし、天皇の考え )ノ在ル所ヲ誨告( かいこく、教え告げる )ス。
職員及児童ハ、其ノ祝日ニ相当スル唱歌ヲ合唱ス。
とあり、正月の式典では「一月一日」の歌を歌いました。
年の始めの 例(ためし)とて
終(おわり)なき世の めでたさを
松竹(まつたけ)たてて 門(かど)ごとに
祝(いお)う今日こそ 楽しけれ
式の当日には児童も先生も晴れ着を着て登校し、校長先生が朗読する教育勅語を聞き、式歌を歌い、終了後は教室で先生から紅白のまんじゅう、あるいは菊の模様の落雁を貰い喜んで下校したものですが、太平洋戦争開戦後にはお菓子は貰えなくなりました。
お正月も今では「休む日」となった感がありますが、かつては「祝う日」という感覚が強かったみたいです。
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『一月一日』(植松健次による恣意的現代語訳)^^
一年の初めの恒例だけど
いつまでも続く世界のめでたさを
家々に門松を飾り
みんなで祝う正月は、ほんとうに楽しい
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明るく、楽しく、今年もよろしくお願いいたします。